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【フィギュア】復帰の可能性は? 五輪王者ネイサン・チェンに直撃「医学部出願へ向け本当に忙しい」 現世界王者・女王への思いも明かす

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie

ネイサン・チェン インタビュー

「ジャンプの申し子」と言われ、2022年北京五輪で金メダルを獲得したあと事実上引退したアメリカのネイサン・チェン(25歳)。今もなお、彼の世界記録335.30点(2019年GPファイナル)を破るものはいない。そんなチェンが、2025年世界選手権にレジェンドスケーターとして現れ、後輩たちの演技を見守った。彼の近況や、今のフィギュアスケート界への思いを聞いた。

3月下旬にボストンで開催された世界選手権で取材に応じたネイサン・チェン photo by Noguchi Yoshie3月下旬にボストンで開催された世界選手権で取材に応じたネイサン・チェン photo by Noguchi Yoshieこの記事に関連する写真を見る

【現在は医学部出願に向け勉強中】

ーーお元気にしていましたか? イェール大学での生活はいかがでしょう?

ネイサン・チェン(以下同) 元気に過ごしています。イェール大は去年卒業しました。今はボルチモアで、学士号取得後のプログラムというものに取り組んでいます。最初はデータサイエンスを専攻し、現在は医学部に移行しています。医学部の出願に向けた、1年間のブートキャンプ(研修)のようなものです。

ーーこれから医学部に出願されるのですね。

 はい。今、その準備をしているところです。自己PRを書いたり、自分の経験を伝えるための書類を作っていて、今年7月くらいの提出になりそうです。僕が所属しているプログラムには、「リンケージ」や「グライド」と呼ばれる選択コースがあります。リンケージを選ぶと、12月くらいから申し込むことができるので、クラスメイトのなかにはすでに医学部に合格している人もいます。ただ、リンケージだと提携している学校が限られているんです。そしてグライドという選択肢の場合は、基本的にはまず1年間、何か自分のテーマの研究に専念して、出願するというものです。グライドであれば、通常の出願サイクルなので、すべての学校に出願することができます。そんなわけで、僕自身はグライドに参加することで選択肢を広げて、出願を考えています。

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著者プロフィール

  •  野口美惠

    野口美惠 (のぐち・よしえ)

    元毎日新聞記者。自身のフィギュアスケート経験を生かし、ルールや技術、選手心理に詳しい記事を執筆している。日本オリンピック委員会広報としてバンクーバーオリンピックに帯同。ソチ、平昌、北京オリンピックを取材した。主な著書に『羽生結弦 王者のメソッド』『チームブライアン』シリーズ、『伊藤みどりトリプルアクセルの先へ』など。自身はアダルトスケーターとして樋口豊氏に師事。2011年国際アダルト競技会ブロンズⅠ部門優勝。

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