『週刊少年ジャンプ』のフィギュアスケート漫画・作者が挑むペア競技の本質「少年誌だけど女性の視点を理想化しない」 (2ページ目)
【少年誌×フィギュアスケートの難しさ】
ーー連載が始まるまでに一番苦労したことは何ですか?
まずひとつは単純に絵のことです。自分の画力の問題もあるんですけど、フィギュアスケートで求められる絵柄と少年誌で求められる絵柄に乖離があって。どういう絵を描けばいいのか、なかなかつかめないまま連載が始まってしまった感じがありました。
さらに週刊連載はだいたい1話19ページで、そのなかでスケートの美しさを連続した動きで見せないといけない。一枚絵だと何をやっているかわからないこともあるので前後の動きも描かなければいけない。さらに話も進めないといけないから、19ページにどうやって納めるかというバランスの取り方は今も苦労しています。
もうひとつは、自分自身がやっていないスポーツであるということ。しかも、ちょっとやってみようって、できるものではないですよね(笑)。お話は伺っていても、選手の感覚や気持ちは確信を持ってわからないという部分がたくさんあるので、そこは難しいなと思っています。
2月2日にコミックス第1巻が発売ーー連載が始まってからはいかがですか?
ふつう、少年漫画のスポーツものだとまずは小さい大会に出て、勝っていくにつれて次々とライバルが現れて、という流れですよね。でも、ペアは競技人口が少なくて、国内大会も少ない。予選会は1組だけという場合も多いし、いきなり全国大会ですごい選手が出てきちゃう。
初心者もトップも同じ大会に出るという形式にもなるので、週刊連載の少年漫画のフォーマットには合わない形なんです。それでも、毎週描いているなかで、展開をどうにかしなきゃと考えながら進めています。
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