高橋大輔に若手からひと言「ダンスがうますぎてマネできない」 アイスショーで見せた革新性
【村上佳菜子は練習で号泣】
2月9日、博多。高橋大輔が総合プロデュースした『滑走屋』は、単純なアイスショーから脱却していた。新感覚の舞台、ダンス、劇に近いか。苦心惨憺(たん)の産物だろう。
アイスショー『滑走屋』のゲネプロに登場した高橋大輔この記事に関連する写真を見る「(この1カ月の稽古で)大ちゃん(高橋)が(振り付けなどで)寝られない姿を間近で見てきました。一方でショーを経験したことがない(アンサンブル)スケーターたちが、目の下にクマをつくりながら格闘し、できないながらも必死に取り組む姿があって。メインのスケーターもそれに刺激を受け、学ぶことがたくさんありました。リズムの取り方や表現など一人ひとりレベルアップしてきたはずで、絶対にこれを成功させたいって思っています!」
2014年ソチ五輪の日本女子シングル代表で、今回のメインスケーターのひとりである村上佳菜子は、公演開幕前日のゲネプロ(通し稽古)の囲み取材でそう明かしている。
「昨日、前半を通しでやっただけで、"やっとできた"って号泣してしまったほどです」
村上は感極まっていたが、リンクに立つ者たちも一緒に心が動く作品と言えるだろう。
"座長"である高橋は、いかに道標となってスケーターたちを導いたのか?
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。