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山本草太「諦めにも近い日々」を越えて...激戦の全日本フィギュア男子で初表彰台「10回目で報われた」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【高得点ばかりで「すごっ」】

 表彰台をめぐる攻防に決着をつけたのは、山本草太(中京大学/23歳)だった。

全日本選手権で3位に入った山本草太全日本選手権で3位に入った山本草太この記事に関連する写真を見る 山本はショートプログラム(SP)、ノーミスで94.58点と2位で発進している。4回転トーループ+3回転トーループ、4回転サルコウ、トリプルアクセルを完璧に降りた。鍵山の出遅れはあったにせよ、大会を盛り上げる伏兵になった。

 しかし、ハイライトはフリーにあったと言える。

「(最終グループの)6分間練習が終わって、他の選手のことは気にせず、自分の演技に集中しようとは思っていたんですが......」

 山本は出番直前の心境を明かしている。ミスが許されず、相当なプレッシャーだったはずだ。

「ゆまち(鍵山)の演技が終わって、電光掲示板にみんなの点数が出ているのを見て、高得点ばかりで、『すごっ』て。これは、得点や結果は気にせず、自分がやるべきこと集中し、練習してきたことをやろうと、本番直前にあらためて思えました。おかげで(悪い)緊張感につながらず、いいマインドで臨むことができたと思います」

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