三浦璃来・木原龍一は日本勢初Vの偉業も得点は伸ばせず...「小さなミスがたくさん出た」。世界選手権へライバルペアとの得点差を埋められるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Getty Images

演技終了後はふたりとも倒れ込み...

 翌2月11日のフリー。三浦が「ショートのあとコーチに『緊張しているからよくなかった』と言われたので、フリーは練習から楽しむようにして、プレッシャーはあまり感じないように意識していた」と話した演技だった。

 最初のトリプルツイスト・リフトはレベル3にして、1.95点の加点をもらう滑り出しにした。

 だが、次の3回転トーループ+2回転トーループ+ダブルアクセルは、木原の最初の3回転が4分の1回転不足で両足着氷になり、3連続ジャンプにはしたものの1.68点の減点。

 続くリフトは、レベル4にして勢いを取り戻したかに見えたが、3回転サルコウでは三浦が4分の1回転不足で両足着氷になって減点された。さらに後半のスロー3回転フリップでは右手をつくミスが出た。

 そのあとのスロー3回転ループは、木原がしっかり前に押し出すように投げてクリーンな着氷。終盤のデススパイラルとリフトは体力も切れかかった状態になり、レベルはそれぞれ2と3で得点を上積みできなかった。

 そして演技終了とともにふたりは倒れ込み、息を荒げたままでなかなか起き上がれなかった。

 三浦は「(木原)龍一くんはフリーではいつも最後には倒れ込むけど、今日はそれが激しかったので、標高のせいかなと思いました」と笑う。

 リンクから上がっても木原は立ってブレードのカバーをつけることができず、這ってキス&クライの席までたどり着いた。

 それでも、自己ベストでトップに立っていたエミリー・チャン/スペンサー・アキラ・ハウ(アメリカ、SP3位)の得点を2.90点上回る137.05点を出し、合計を208.24点にして優勝を決めた。

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