坂本花織「まだ自分はできるんだぞ」、三原舞依「緊張感を楽しみたい」。全日本へ意気込みを語る (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 西村尚己/アフロスポーツ●撮影 photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

【今季、一番の飛躍を見せている渡辺倫果】

 全日本選手権の過去最高順位は3位。全日本タイトルを取る絶好のチャンスが来ていることは本人もわかっているのだろう。

「あまりプレッシャーとかはなく、ファイナルはファイナル、全日本は全日本と切り替えてくることができています。いままでの練習を信じて、全日本を楽しみにしてきたので、この空気、この緊張感を、全部ここでしか味わえないと思って楽しめたらいいなと思います。頑張った分だけ結果はついてくると思うので、しっかり自分のできることを全部出しきることが目標かなと思います」

 今大会の伏兵のひとりに挙げられるのは、今季一番の飛躍を見せた20歳の渡辺倫果だろう。国際大会初戦だったロンバルディア杯ではフリーで大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させ、世界女王の坂本を抑えてSP2位から逆転優勝を成し遂げた。スケートカナダでGP初優勝し、NHK杯では気負いから空回りして総合5位になるも、滑り込みでGPファイナル進出を果たした。初めての大舞台ではSPからトリプルアクセルに挑んで自己ベストの72.58点を出して4位発進。フリーも3位と健闘したが、表彰台まであと1歩の総合4位だった。

 全日本でのこれまでの最高順位は昨季の6位。今年は是が非でも表彰台の一角に立ちたいところだろう。

「ファイナルが終わって、思ったよりも体の調子が悪くなかったと思っているので、今日の練習自体も曲かけも悪くなかったし、調子もぼちぼちいいほうかなと思っています。明日に照準を合わせて、今日またコンディション整えればいいかなと思っています。全日本までの練習では、トリプルアクセルの質にこだわるというよりも、どちらかと言えば他のジャンプを正確に跳べるようにする練習をこの1週間でやってきたので、その成果が出ればいいんじゃないかなと思います。

 昨年からまた違った立場だったり、感覚だったりで、全日本に臨む形にはなりますし、また新しい雰囲気で全日本に臨む形にはなるんじゃないかなと思っています。今シーズンの前半で得た経験というのは本当にすごくいいものでしたし、これからのスケート人生に役に立つんじゃないかと思うので、この経験を踏まえて、全日本も自分らしく、昨年の自分を越えられるように頑張って行けばいいんじゃないかなと思っています。

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