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無良崇人が語るこれからの男子フィギュア。宇野昌磨、鍵山優真に続く存在は? (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dreams on Ice 2022

試行錯誤が求められるシーズンに

 今シーズンの男子は、羽生結弦選手とネイサン・チェン選手という2トップが抜けることになりますが、アメリカのイリア・マリニンという新星が新たに出現しています。彼は先日のUSインターナショナルで、世界初となる4回転アクセルを成功させるという快挙を成し遂げました。

 今オフの日本でのアイスショーでも滑っているのを見ましたが、4回転アクセルも普通に跳んでいました。もともと4回転ルッツを平気で跳んでいる選手なので、ネイサンを超えるジャンパーとして、世界のトップに踊り出てくるはずです。ただ、まだフリー後半でミスを重ねることが多いのですが、それもシーズン後半になれば安定してくるでしょう。

 宇野昌磨選手は昨シーズン、フリーで4回転5本を組み込むというテーマを持って戦って、しっかりと成績を残し、最後は世界選手権で優勝しました。その自信を持って、今季もやってくれると思っています。新プログラムもどんどん磨きがかけられてきて、表現にすごく味が出てきているなと、アイスショーで滑っている姿を見て感じています。今季も昨季と同じように4回転5本を入れて挑戦してくれるのではないかと思います。すごく楽しみです。

 鍵山優真選手はシニア転向後、いきなり世界のトップ争いに加わったわけですが、新しい4回転の種類を増やそうとか、いろいろな挑戦をしています。プログラムもローリー・ニコルやシェイリーン・ボーンなど著名な振付師に作ってもらいながら、どんどん新しいものを吸収している。それを意識的に行なっていることが、全日本合宿の時の動きを見ても感じられました。スケートの伸びなど、彼の本来持っているよさをもっと伸ばそうということが見えています。シニア3シーズン目の今季も、いい動きをしてくれると思っています。

 このふたり以外の日本男子3人(枠)目は、実力を出しきった選手、やりきった選手が勝って、上に行くという形になってくると思います。

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