鍵山優真「荒々しさを出したい」。新シーズンのプログラムに羽生結弦との共通点 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dreams on Ice 2022

羽生結弦の挑戦と通じる部分

 一方、フリー『レイン、イン・ユア・ブラック・アイズ』は、北京五輪のペアで優勝したスイ・ウェンジン/ハン・ツォン組(中国)や、アイスダンスのガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組(フランス)が過去に使用したことがある、ドラマチックな曲。SPと同じように、鍵山にとっては挑戦的なプログラムであり、ロックのSPとピアノ曲のフリーという構成で演技や表現の幅を見せるという意味では、羽生結弦が挑戦していたものにも通じる部分がある、新たな取り組みだ。

 今回のドリーム・オン・アイスに、北京五輪王者のネイサン・チェン(アメリカ)とともにゲスト出演した、昨季世界ジュニア優勝のイリア・マリニン(アメリカ)は、この日の練習で4回転アクセルをきれいに決めていた。

 それを目の前で見た鍵山は、「4回転アクセルをやりたいとまでは思わないが、自分が今挑戦しているジャンプにもっと取り組みたいなとか、新しいジャンプにも挑戦していきたいという気持ちが芽生えました」と話した。

 今、鍵山が新たに挑戦している4回転ルッツは、「完璧ではないが少しずつ形になっているので、このまま練習していきたい」という状況。どんなジャンプ構成にしてくるかということも含め、鍵山にとっては今年も、さらなる進化を強く意識するシーズンになりそうだ。

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