鍵山優真「荒々しさを出したい」。新シーズンのプログラムに羽生結弦との共通点

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dreams on Ice 2022

初めてのロック曲に挑戦

 鍵山優真(19歳、オリエンタルバイオ/中京大学)は6月30日にライブ配信で、シェイ=リーン・ボーン氏に初めて振り付けをしてもらった新シーズンのショートプログラム(SP)、イマジン・ドラゴンズのロック曲『Believer(ビリーバー)』をお披露目。そしてフリーは、3シーズン目となるローリー・ニコル氏の振り付けで、ピアノ曲『Rain, in Your Black Eyes(レイン、イン・ユア・ブラック・アイズ)』と発表した。

「ドリーム・オン・アイス」に出演した鍵山優真「ドリーム・オン・アイス」に出演した鍵山優真この記事に関連する写真を見る 7月1日、コーセー新横浜スケートセンターで開幕した「ドリーム・オン・アイス」では、『ビリーバー』を演じた。

「初めてのロック調の曲なので、荒々しさを出したい」というプログラム。音楽のキレを表現しながら、力強く鋭角的な動きで滑り出した鍵山は、最初の4回転サルコウをきれいに決めたが、次のトリプルアクセルはパンクしてシングルになった。

 最後のジャンプも昨シーズンとは違い、連続ジャンプにして得点アップを狙う構成だ。同日午後の最初の曲かけ練習では3回転ルッツ+3回転トーループにし、2回目の曲かけでは4回転トーループ+3回転トーループだったが、本番はアクセルのミスの影響もあったのか、3回転ルッツ+2回転トーループになった。

 それでも力強さとキレのある滑りは変わらなかった。そんな意欲を前面に押し出すようなステップシークエンスを見せると、最後のコンビネーションスピンは、さらにスピードを上げた回転で滑って演技を締めくくった。

 2シーズン前に、鍵山の新たな魅力を見せてくれたSP『Vocussion(ヴォーカッション)』を初めて見た時と同じような運動量の多さ。また、新たな世界に挑戦しようとする意欲が垣間見えるプログラムだった。

「今はまだ練習中だけど、これから練習や試合で回数を重ねていくごとに、勢いとか荒々しさを表現できるようになったらいいと思っている」

 こう話す鍵山は、初めて振り付けを頼んだボーン氏の印象をこう語った。

「とにかく、運動量がすごいなと思いました。自分が休憩している時でも振り付けのアイデアを出してきたり、動きながら考えたりしていて。自分より運動している感じで本当にたくさんのアイデアを出してくれて、今回の振り付けが完成したので。シェイ=リーンさんと僕のよさが合致した、すごくいいプログラムになったと思います」

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る