紀平梨花、起死回生の北京五輪代表入りへ。崩れた青写真をどう立て直すか (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by KYODO

【代表選考レースは坂本花織がリード】

 五輪代表選考レースで出遅れている現在、紀平が起死回生の代表入りを果たすには、全日本で3連覇をするのが一番の近道と考えて戦ったほうがいいだろう。選考段階の救済措置もあるが、2019年世界選手権での総合4位が最高位となる紀平は該当者として見なされないからだ。

 日本女子の五輪切符は3枚だが、今季も安定感抜群の演技を披露して2大会連続出場を目指す坂本花織が選考レースをリード。残り2枚を、トリプルアクセルを習得して試合でも成功させている実績十分の樋口新葉、体調不良から復活して安定した演技とメンタルの強さを発揮している三原舞依らと争うことになる。

 トリプルアクセルや4回転サルコウという武器を持ち、トータルバランスにも優れている。現状ではロシア勢と張り合うことができるジャンプ構成を組むこともできる唯一の選手だけに、どこまで万全の状態で試合に臨むことができるかがカギとなる。いずれにせよ完全復活した紀平の演技をぜひ、見たい。

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