2021.12.20

紀平梨花、起死回生の北京五輪代表入りへ。崩れた青写真をどう立て直すか

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by KYODO

 悲願の2022年北京五輪出場とメダル獲得を目指す紀平梨花が、12月23日に開幕する全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)の五輪代表最終選考会にエントリーし、一発勝負で初の五輪代表入りに挑む。

 19歳の全日本女王は、今季もここまで1試合も出場ができていない。シーズンオフの7月に痛めた「右足関節骨軟骨損傷」が回復に至らず、予定していたグランプリ(GP)シリーズのスケートカナダとNHK杯の2大会の欠場を余儀なくされたからだ。9月からは練習拠点を希望していたカナダ・トロントに移し、羽生結弦を指導しているブライアン・オーサーコーチに師事。五輪メダリストを輩出している「チーム・オーサー」のもとで懸命な治療とリハビリに専念しているはずだが、紀平がどんな状態まで回復しているかはわかっていない。

全日本選手権で北京五輪代表入りを目指す紀平梨花(写真は4月の国別対抗戦)全日本選手権で北京五輪代表入りを目指す紀平梨花(写真は4月の国別対抗戦) この記事に関連する写真を見る  コロナ禍の昨季も、GP大会には1試合も出場せずに、シーズン初戦となったのは昨年12月の全日本選手権。ショートプログラム(SP)で武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳び、フリーでは習得に励んでいた4回転サルコウを初めて試合で成功させたうえトリプルアクセルも着氷するなど、高難度のジャンプを連発させる圧巻の演技を見せ、合計234.24点で大会2連覇を飾った。

 今年1月のアイスショーで、全日本選手権の演技についてこう振り返っていた。

「SPはノーミスすることができ、フリーでは決めたいと思っていた4回転サルコウを決めることができて、収穫もありましたし、課題もたくさん見つけたので、そこを修正して次の大会では完璧な演技を目指したいです。ロシア勢の活躍にはすごく刺激を受けている。目標としている得点は(フリー)160点台で、完成度の高い演技を目指していく。課題をしっかり修正すれば、ロシア勢に対抗して戦っていけると思うので、そのレベルにしていきたいです」

 そんな意気込みで出場した世界選手権だったが、SP2位の好発進も、フリーは試合時間に調子を合わせることができなかったという調整ミスが響き、4回転を回避しながらトリプルアクセルで転倒。自滅に近い形で9位と沈み、「申し訳ない演技になってしまった」と合計205.70点の総合7位に終わった。