フィギュアスケート女子、熾烈な代表争いへ。「東京五輪を見て、やっぱり五輪に出たいな」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 今年8月、シーズン前哨戦の『げんさんサマーカップ2021』で、宮原はSP6位に低迷も、フリーで2位と巻き返し、トータル2位に入っている。フリーではジャンプの回転不足はあったものの、すべて着氷し、『トスカ』の悲劇を演じきった。

「久しぶりに全体通してよい演技で、よいスタートになりました」

 宮原はそう語っていたが、一つひとつ積み上げてきたスケーティングが実を結ぼうとしているのだ。

「東京五輪を見て、"やっぱり五輪に出たいな"という思いが強くなりました」

 宮原は言う。スケート人生の最高傑作が見られるかもしれない。

 一方、坂本は『げんさんサマーカップ』でSP、フリー、どちらも1位で宮原、三原、樋口を抑え、見事に優勝を飾っている。SPでは2度も曲の再生が止まるアクシデントがあった。フリーも、振付師に五輪用にもらった新曲が思うようにいかず、2018−2019シーズンの『ピアノレッスン』を引っ張り出した。それでも他を寄せつけなかった。

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