羽生結弦は学び続ける。アクシデントを乗り越え完全優勝できた要因 (2ページ目)
14年GPファイナルの公式練習の羽生この記事に関連する写真を見る 14年12月にバルセロナで行なわれたGPファイナル。羽生は万全な状態ではなかったが、心の強さと冷静さを発揮。SPを1位で終えると、フリーでは、このシーズンでそれまでに見せたことがなかったパーフェクトな演技を披露した。
冒頭では、本人が跳んだ瞬間に「きた!」と感じたというほど完璧な4回転サルコウを決めた。続く4回転トーループもGOE(出来ばえ点)で2.71の加点をもらう質の高いジャンプ。力強さとしなやかさが共存するステップで観客をわかせると、その後に3つ続く連続ジャンプもきれいに決め、優勝を確実にした。
ただ最後の3回転ルッツは回転不足で転倒。羽生は演技を終えた瞬間にペロッと舌を出して照れ笑いを浮かべた。それでも、ミスしたルッツ以外はGOEでもすべて加点が並んだ。技術点は4回転サルコウで転倒した前年のGPファイナルを1.27点上回る103.30点の高得点で、合計は自己最高記録を更新する194.08点を獲得。合計で2位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)に34.26点の大差をつけて連覇を果たした。
「終わってみたら連覇、という感じです。僕にとってはギリギリで滑り込んだファイナルだったので(6人中6位での出場)、連覇したいという意識とは切り離されたものでした。だから連覇にとらわれることなく、今やるべきことができたのかなと思います。前季のソチ五輪と2週間前のNHK杯は、どちらも『優勝じゃなければダメだ』といった感覚を持って戦った試合でしたが、それがいい経験になっていました」
中国杯で衝突してケガを負った後の激動の1カ月間を、「今思うと本当に幸福だったと思います」と言って笑みを浮かべた羽生。
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