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ロシア女子、国別対抗戦でも異次元の強さ。「4回転は普通のこと」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 フリーでも、トゥクタミシェワは世界観を見せた。背中に日本語で「愛」とデザインした衣装。「日本の匂いが好き」という親日家である。村上春樹の作品世界を演出した『ねじまき鳥の歌』のプログラムを滑り切った。

 冒頭のトリプルアクセル+2回転トーループは減点となるも、次のトリプルアクセルは見事だった。3回転ルッツ+3回転トーループも高得点を記録。後半のジャンプはGOE(出来ばえ点)が思ったように伸びなかったが、スコアは146.23点で3位と健闘だ。

 2本のトリプルアクセルの完成度だけをとっても、輝きを放っていた。勢いで跳ばず、しっとりと回るのが真骨頂。24歳でジャンプの成熟は珍しい。

「私はトリプルアクセルをたくさん練習してきました。今は子どもの時より簡単で、難しくありません。大事なのは正確な技術を身につけ、それをコントロールすることです。自信を持って跳ぶには、正しい練習が必要で」

 トゥクタミシェワはそう言って、こう続けている。

「今は4回転も練習していて。まだ安定性がないので、試合では使えませんが、来季は練習を重ねて、トリプルアクセルと同じ水準で跳べるようにしたいと思っています」

 スケートの深淵をさらに見せてくれそうだ。

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