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宮原知子、心と身体が「チグハグ」で自己ワースト。再起を誓った誕生日 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 入念に仕上げてきたオペラ曲『トスカ』の悲劇性を再現するため、彼女はスタートポジションについた。

 しかし、1本目のコンビネーションジャンプは3回転ルッツ+3回転トーループの2つ目で転倒してしまう。ダブルアクセルは確実に降りたが、3回転ループは2回転に、3回転サルコウも回転が外れ、再び転倒。ジャンプが決まらない。後半に入って基礎点が高いジャンプも、3回転フリップ+2回転トーループ+2回転ループは回転不足、3回転ルッツは2回転ルッツに、最後のダブルアクセル+3回転トーループは成功したかに見えたが、4分の1以上の回転不足でマイナスがついた。

 スピン、ステップはすべてレベル4で"らしさ"を示したものの、スコアは伸びなかった。112.31点で19位。かつて2度、世界選手権で表彰台に立っているだけに、あり得ないスコアと言えるだろう。トータルでも172.30点で、19位に沈んだ。

「技術的には難しくて、話にならないような内容でした」

 宮原は自分を責めるように言った。貞淑な彼女にとっては、強い表現かもしれない。それだけ、無念さが胸の中で渦巻いていたのだろう。

「精神的には自分と向き合えて、ショートに比べると冷静に滑れたと思うんです。でも、そのギャップというか、まだ自分がそれをどう考えて、わかったうえで、ものにするってところまでいっていないのかなって。(頭では)冷静に考えられるけど、行動(演技)に結びついていない。ちぐはぐな感じです」

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