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鍵山優真が見据える北京五輪金メダル。自己記録更新も「ミス悔しい」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihiro

 冒頭の4回転サルコウは文句のつけようがない着氷で、続くトーループの4回転+3回転の連続ジャンプも軽々と跳び、4本目の4回転トーループの単発もキレがあった。この3本のジャンプのGOE(出来栄え点)加点の合計は9.42点となり、この3本だけで42.32点を叩き出した。

 基礎点が1.1倍になる後半に跳んだトリプルアクセルからの3連続ジャンプにもGOE加点1.26点がついた。ラスト2本の3回転ルッツ+3回転ループと単発のトリプルアクセルでは着氷が乱れてしまったのは残念だったが、ミスを最小限にとどめたことでジャッジに対して好印象を残すことができ、しっかりと得点にも反映された。ステップと3つのスピンはいずれもレベル4と判定されて、演技構成点でも5つの項目で8点台後半を揃えた。

 初めて挑んだ大舞台で堂々とした落ち着いた演技を披露して、自己ベストを更新。フリーは11.81点、合計点も21.16点アップさせるなど、大きく躍進した鍵山だが、その心の内には確固たる自信がみなぎっていたようだ。

「そもそも、この世界選手権に出ているだけで緊張しているんですけど、さらに最終グループに入って練習したり、試合したりすることになって、『本当に自分がここにいていいのかな』と最初は思っていました。ですけど、ここに来たからには日本代表としてやらなくちゃいけないと思ったので、試合にはしっかりと集中することができたと思います」
 
 シニアデビューシーズンで華々しい活躍を見せ、世界にその名をアピールできたことは、これからの鍵山にとって、プレッシャーにもなる可能性もあるが、大きな励みになることは間違いないだろう。負けず嫌いを自認。努力をいとわない芯の強いスケーターだけに、この結果におごることなく、これまでと同じように真摯にスケートと向き合っていくはずだ。

「フリーは細かいミスが出てしまったので、ジャンプの調整をしっかりしないといけないです。そしてもっとシニアらしい滑りができたらいいなと思います。日本に帰ったら、今日のフリー演技がちょっと悔しかったので、休みたいんですけど、すぐに練習したいです。自分に足りない部分がたくさん見つかったので、そこをしっかり練習したいと思っています」

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