宇野昌磨「成長したい気持ちが出てきた」演技にランビエルコーチも狂喜

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

フリー後半ではフリー後半では「正直、何が成長したっていうのはないです」

 リモート会見に出てきた宇野昌磨は、きっぱりと言った。2シーズンにわたって使った『Dancing On My Own』でのフリースケーティングについて、その変化・成長を問われた後だ。

「この2年間、本当にたくさんのことがあって......。"今できることをやればいいんだ"っていう(ところに到達して)自分自身に満足しているというか。成長を実感するよりも、まずはそれに気づけたのが大きいです。(昨年末の)全日本選手権では"もっと成長しないと足りない"と感じたのも事実ですが」

 この2シーズン、宇野は深刻なスランプを経験し、克服した。2019年の世界選手権にケガを押して出場した後、コーチと拠点を変更予定だったが、うまくいかなかった。19--20シーズン、前半戦はコーチ不在の"ツケ"を払うように、苦戦を重ねた。その中でステファン・ランビエルコーチとの出会いがあり、全日本選手権では劇的な逆転優勝を果たしたのだ。

 そしてコロナ禍で思いどおりいかなかったシーズン、2試合のみでは成長を云々するのに十分ではないだろう。

「成長したい、っていう気持ちが出てきたのが大事」

 宇野の言葉だ。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る