宇野昌磨「成長したい気持ちが出てきた」演技にランビエルコーチも狂喜 (3ページ目)
フリーは184.82点を叩き出し、3位に入っている。
「決してよい演技ではなかったですけど、この調子でいけるベストだったかなと思います」
宇野は高い声でそう言っている。
「(拠点である)スイスで練習していたときよりも、(現地に入って)ジャンプの調子が全然よくなくて。調整が問題だったわけですが、何がっていうよりも、自分自身の問題で。どんな理由であれ、すべては自分なので。正直に言うと、明確な理由がわからないんですが」
総合では277.44点で4位と、表彰台はあと一歩で逃した。しかし、逆転を狙った後半の演技は心を揺さぶるものがあった。ランビエルコーチがリンクサイドで狂喜していたように、無性に人を熱くさせる輝きがあるのだ。
演技後、宇野はランビエルのほうに視線を投げ、納得したように右こぶしを軽く握っている。
「(ランビエルがコーチになって)氷の上での練習内容は、今までとそれほど変わりなくて。変わったのは氷以外、オフアイスのトレーニングをやるようになったことかもしれません。でも、ステファンが何か特別にやったかというよりは、スケートを楽しくやらせてもらえるようになったというか。もともと楽しんでいましたが、よりスケートに楽しさを感じられるようになりました」
そう語る宇野は、成長のとば口にいるのだろう。今は劇的に何かが変わったわけではない。成績も一進一退だ。
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