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鍵山優真が「やべェ」と思った瞬間。実感した羽生結弦、宇野昌磨との差 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 鍵山のフリーの得点は180.97点。合計278.79点で2位の宇野には6.02点差。今シーズン、国内の大会で見せていた実力は十分に発揮する結果だった。

 また鍵山は、今回の全日本を通して羽生と宇野の存在は「まだまだ遠い」と実感したという。

「フリーでノーミスをしても勝てなかったと思っています。自分にはまだまだ足りないものがあるので、もっともっと練習が必要だと思いました。宇野選手は羽生選手が最終目標だと言いますが、僕もふたりを目標にしているので。次に戦う時にはどのくらい近づけているかを、もっと練習して確認できればいいかなと思います」

 次なる機会は、開催が実現すれば、3人とも代表に選ばれた3月の世界選手権になる。大会最終日の深夜に行なわれた世界選手権の代表記者会見では、各選手に目標順位を問う質問が出た際、鍵山は言葉に詰まってしまった。すると、前の席に座っていた羽生は後ろを振り向いて、何か声をかけた。羽生はその言葉をこう説明した。

「鍵山選手が自分の気持ちにウソをつこうとしていたので声を掛けました。彼の強さは負けん気の強さや向上心で、それらが彼の武器なので大事にしてほしいと思います。僕は初出場の世界選手権で3位になったけど、あの時の演技は忘れられないし......。勢いとエネルギーでいけたと思うので、(鍵山が)全日本選手権で優勝したいと言っているように、その気持ちで世界選手権も頑張ってほしいと思います」

 そんな先輩からのエールを、鍵山はどう受け取ったのか。狙って獲得できた3位という結果とともに、17歳はこの大会で大きな収穫を得たようだ。

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