2020.12.31

鍵山優真が「やべェ」と思った瞬間。実感した羽生結弦、宇野昌磨との差

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

全日本フィギュアでフリー演技をする鍵山優真全日本フィギュアでフリー演技をする鍵山優真  12月25〜27日に開催された全日本フィギュアスケート選手権。ショートプログラム(SP)2位からフリーは宇野昌磨に逆転されるも3位を確保した鍵山優真。昨年と同じ位置で表彰台に上がった。結果について鍵山は、「昨年は何も考えずに挑戦しての結果だったけれど、今回は表彰台を狙って3位だったので、すごく満足しています。内容的に悔しい部分もありましたが、それでも攻めた演技ができた」と笑顔を見せた。

 シニアデビューシーズンながらも昨季は四大陸選手権3位の実績があり、今季も関東選手権は287.21点、NHK杯では275.87点と高得点を出していた。これまでの実績を見れば、全日本の表彰台も順当なものだった。

 だが、シニアの大会で「初めて最初から表彰台を狙って臨んだ」というプレッシャーからか、演技はSP、フリーともに全体的に余裕がなく、硬さも見える滑りだった。

 鍵山は競技前日の公式練習から好調さを見せ、「ショートはひとつミスをしたら終わりなので、すべてをかける思い」で集中していた。冒頭の4回転サルコウ+3回転トーループは、4回転+2回転になったが、これはとっさに判断して意図的にレベルを落としたという。「4回転が少し回り過ぎたので、3回転トーループは無理かなと思い、不安になったので2回転にした」と冷静だった。

 その後の4回転トーループはきれいに決め、コンビネーションスピンも慎重にこなしてレベル4とした。NHK杯でミスをした、「苦手意識がある」というトリプルアクセルも3.09点の加点。関東選手権の得点を0.14点上回る98.60点を獲得したものの、ステップシークエンスは硬さが残る動きで、持ち味である「踊る滑り」を発揮し切れていない印象だった。