2018.12.21

全日本女王を目指す紀平梨花。
スケート靴が心配も「気合で乗り切る」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 シニアデビューシーズンでグランプリシリーズ(GP)2大会に連勝。GPファイナルでは2005年の浅田真央以来となる初出場初制覇を果たした紀平梨花が、全日本選手権に挑む。武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をひっさげて初出場した昨年の全日本選手権は3位。精神面の強化で実力を十二分に発揮できるようになった今年は、一気に頂点を狙う。

全日本選手権の公式練習でもキレのあるジャンプを見せていた紀平梨花 GPファイナルで偉業を成し遂げてから約2週間。帰国後、自身に対するフィーバーぶりをよそに、本人は至って冷静で、落ち着いた様子で練習に取り組んできた。大会前日の20日に行なわれた公式練習でも、きびきびした動きで安定感のあるジャンプをバンバン跳んでいる。伝家の宝刀、トリプルアクセルにも磨きをかけてきたようで、この日はキレのあるジャンプを6本成功させていた。

「いまのところ、ファイナルの疲れはちゃんと取れて、しっかりいい状態で臨めていると思います。(自分が注目を集めていることに)私は特にテレビも新聞も見ないし、それがあるとかないとかですることは変わらない。とにかく全日本が今年最後の大会なので、しっかり頑張りたいです。周りの声とかは意識していないので、とにかく最後の最後までいい成績でいきたいと思っています」

 コンディションは万全だが、唯一、「スケート靴に問題がある」という。今シーズンに向けて新しい靴に替えたのだが、それが合わず、結局9月にそれまで使っていた靴に戻して、今季の前半戦からその古い靴を使っている。だが、さすがにそれも限界を迎えそうな状態で、テープで「ぐるぐる巻き」にして、古い靴が壊れるのを防ぎながら演技せざるを得ないというのだ。