2018.12.20

全日本の優勝候補筆頭。紀平梨花のトリプルアクセルは男子並み

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 12月のグランプリ(GP)ファイナルで初出場初優勝を果たした紀平梨花。彼女が試合で最初にトリプルアクセルを跳べたのは2015年の全中(全国中学校スケート競技会フィギュア部門)の予選だったという。

「最初は全然跳べる気がしなかったけど、練習を始めた時に濱田(美栄)先生が『いいんじゃない』と言ってくれたのでどんどん練習をするようになって。初めて成功してからは『跳べるからには挑戦しなきゃ』と思いました」

GPファイナル初出場で初優勝の紀平梨花 紀平のトリプルアクセルは、跳ぶ直前に大きく構えるのではなく、滑ってきたスピードをうまく縦方向の力に変えて跳ぶ。これは、男子スケーターに近いものがある。

 紀平は2016年のジュニアGPリュブリャナ杯のフリーで、国際大会史上7人目のトリプルアクセルを決めたほか、ほかのジャンプもノーミスで本田真凜とアリーナ・ザギトワ(ロシア)を抑えて優勝している。そのシーズンはジュニアGPファイナル進出も果たしたが、全日本ジュニアは11位と惨敗した。

 ジュニア2年目の昨季は、全日本ジュニアのフリーでトリプルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループと、単発のトリプルアクセルを跳んで優勝。全日本選手権ではSPだけではなくフリーでも3回転トーループを付けた連続ジャンプと単発の2本を決めて3位になった。

 だが、優勝を狙っていた世界ジュニアではフリーでトリプルアクセルが2本ともパンクしてシングルアクセルになり、8位に終わっていた。成功する時と失敗する時の振れ幅が大きく、その影響が「自信を持っている」ほかのジャンプにも及んでいたと言える。

 シニアに移行した今季、紀平はチャレンジャーシリーズのオンドレイネペラ杯で、SPではトリプルアクセルで転倒したものの、フリーではトリプルアクセルに3回転トーループを付けた連続ジャンプと、単発のトリプルアクセルをきれいに決めて218.16点で優勝と好スタートを切った。