樋口、宮原が得た3枠をめぐり、
来季の日本女子フィギュアは競争激化 (2ページ目)
「ステップに入る前に『ワーッ』と叫んでから始めたので、そこからの記憶はあまりないというか......。本当に最後の最後まで出し切りたいという気持ちが強かったので、初めて声を出してしまいました」という樋口は、演技が終わった直後から感極まって泣き出し、フリー145.01点、合計210.90点が表示されると、さらに大粒の涙を流した。
「今シーズンはずっとやり切ることを目標にしていたので、それができたことと、うれしさが同時にこみ上げてきました」と笑顔を見せた樋口は、岡島功治コーチが「フリーは絶対にいけると思っていた」と言うほど体の動きが良かった。
「2月のオランダのチャレンジカップの時も体はキレキレで、今回も調子はよかった。これまでは、公式練習で1日よくても次の日はダメということが多かったですが、今回はオランダの時と同じで全部良かった。本人もそれなりの自信がついたと思います」(岡島コーチ)
続く最終組1番手のケイトリン・オズモンド(カナダ)は、ふたつ目の連続ジャンプで着氷を乱すミスはあったが、中盤から立て直して150.05点を獲得。合計223.23点と、五輪銅メダリストの貫禄を見せて、樋口を上回った。
一方、SP3位の宮原は、3回転ルッツ+3回転トーループの着氷が乱れてしまい、後半の3連続ジャンプでも回転不足を取られてしまう。さらに、「どこかに苦手意識がある」という3回転サルコウは2回転になってしまい転倒してしまった。
結局、フリーは135.75点で合計210.08点。宮原自身は、「五輪みたいにワクワクしてこの大会に臨めましたけど、最初から何か硬い感じがあったので、力み過ぎていたと思います。このプログラムは今日が最後なので、いい演技で終わりたいという気持ちが強すぎた」と振り返った。
この時点で、樋口と宮原の順位合計が13位以内になることが確定し、3枠獲得という目的は果たした。だが、まだSP上位のコストナーとザギトワの演技が残っており、宮原は表彰台獲得が厳しくなったと考えたのか、表情には無念さが滲んでいた。
しかし、そこから予想もしないことが続いた。
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