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五輪出場枠「2」の厳しさが、
日本女子フィギュアをより強くする (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 そんな中でSP9位発進の樋口新葉は、「こっちへ来てからはいい練習ができていたし、ショートもよかったので、そのままいこうと思って、最初からスピードも出していけた」という攻めの滑りを見せて、前半はノーミスの演技だった。

 ところが「最初から3つ目のジャンプまではすごく集中していましたが、ステップが終わってダブルアクセルになった頃に『ふたつ目の3回転+3回転を跳ばないと』と強く思い過ぎてしまって少し力んだので......」と振り返るように、3回転ルッツが2回転になってしまう。その後はミスのリカバリーをしようと最後まで諦めない攻めの滑りをしたが、最後のダブルアクセル+3回転トーループは、ダウングレードになって転倒という結果に。結局フリーは122.18点で、合計188.05点にとどまった。

 この時点では、まだ三原が1位で樋口は6位。だが最終グループになると、さすがというしかない演技が続いた。SP4位のアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)は大きく崩れて順位を13位まで落としたが、全米選手権優勝のカレン・チェンはフリーの得点では三原を下回ったものの、合計では1.41点上回る。そしてSP1位のエフゲニア・メドベデワ(ロシア)が、圧倒的な強さで歴代最高の合計233.41点を獲得すると、ケイトリン・オズモンドとガブリエル・デールマンのカナダ勢も、ほぼノーミスの演技で、合計をそれぞれ218.13点と213.52点に伸ばした。

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