笑顔の宇野、失意の羽生。
逆転優勝にはフリーで200点台が必須に

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 3月30日に行なわれた、世界フィギュアスケート選手権の男子ショートプログラム(SP)は波乱の展開となった。

SPでまさかの5位となり、浮かない表情を見せる羽生SPでまさかの5位となり、浮かない表情を見せる羽生 第5グループでは、四大陸選手権覇者のネイサン・チェン(アメリカ)が、6分間練習で何度も感覚を確かめていた後半のトリプルアクセルでまさかの転倒。その前に滑ったボーヤン・ジン(中国)に1.31点及ばない97.33点(6位)にとどまった。

 最終グループでも不穏な流れは続いた。

 第1滑走の羽生結弦は、直前の6分間練習では4回転サルコウ+3回転トーループを余裕で跳び、4回転ループも軸の細いジャンプで決めるなど、本番へ向けて好調さを見せつけていた。
 
 演技前、ブライアン・オーサーコーチと話をしている最中に名前をコールされ、演技に入るまでの時間が2秒オーバーして減点1を取られたものの、最初の4回転ループは今季最高ともいえる出来で決めた。そこから、6分間練習と同じように気を配った丁寧な滑りで、4回転サルコウからの連続ジャンプに挑んだ。

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