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笑顔の宇野、失意の羽生。
逆転優勝にはフリーで200点台が必須に (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

フリーでの大逆転へ、後続にプレッシャーをかける演技ができるかフリーでの大逆転へ、後続にプレッシャーをかける演技ができるか 羽生はトップのフェルナンデスと10.66点差をつけられたが、宇野が「今はジャンプをひとつ失敗すれば10点近く下がるし、順位もいくつ下がるかわからない状況。フリーでのジャンプの失敗ひとつでショートのリードがひっくり返るくらいなので、(SP2位という順位は)あまり気にせずに、フリーはまた一から作り上げたい」と話すように、大逆転の可能性は残っている。

 2位の宇野に4.19点、3位のチャンに6.92点差をつけているフェルナンデスの世界選手権3連覇が近づいたことは間違いない。彼のフリー最高点は、昨年の世界選手権で出した216.41点。仮にそれと同じ点を出せば合計点を325・46点までは伸ばせる状況でもある。

 これに対して、羽生の自己最高得点は219・48点だが、今シーズン初となるノーミスの演技ができれば、220点台後半に乗せるポテンシャルは持っている。そうなれば、自己最高の330.43点には届かないにしても、320点台まで伸ばすことは決して不可能ではない。

 羽生は最終グループの1番滑走者として登場するため、パーフェクトな演技をすれば、最終滑走のフェルナンデスを含めた後続の選手に大きなプレッシャーをかけられる。この滑走順をうまく利用した戦いをすることが、羽生の大逆転達成への絶対条件になる。

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