鈴木明子が感じた羽生結弦の変化。「4回転アクセルをやるかも」 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 能登直、是枝右恭●撮影 photo by Noto Sunao, Koreeda Ukyo

―― このふたり以外で注目している日本人選手は誰でしょうか。

鈴木 無良崇人選手はオリンピックを見据えてスケーティングを改良してきました。滑りが変わればジャンプも変わります。その成果が少しずつ出てきたように見えます。25歳という年齢を考えると、今度が最後のオリンピックになるかもしれません。平昌オリンピックにかける想いは相当なものがあるはずです。

―― 昨シーズン世界選手権2連覇を果たしたフェルナンデス選手は、今シーズンも日本人選手にとって大きな壁になりますね。グランプリシリーズでは2週連続優勝を果たしました。

鈴木 フェルナンデス選手も羽生選手との関係をエネルギーにして成長してきました。ライバルであるけれど、同じチームの仲間。まったく違う性格・演技のふたりが競い合っています。フェルナンデス選手は何でもうまくこなすように見えますが、意外と不器用で、振り付けを覚えるのに時間がかかったりするようです。努力家というタイプではありませんが、羽生選手の存在を意識してかなり練習するようになったと聞きます。どんなときでも「楽しそうに滑る」ことができるのは大きな才能です。

―― 実績のあるパトリック・チャン選手(カナダ)もメダル争いに絡んでくるでしょうね。

鈴木 パトリック選手はコーチを替えたことでどんな影響があるのか、未知数です。ただ、彼は4回転がトーループしかないのが厳しい。でも、あのスケーティングと音の表現はパトリック選手にしかできない「匠(たくみ)の技」ですね。

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