「挑戦することに生きている」羽生結弦。だから今季も次戦に期待できる
「去年のNHK杯やグランプリファイナルだけを見た人は、僕がすごく完璧に演じるスケーターだと思ってしまうでしょうけど、ずっと見てきてくださった人たちはたぶんわかっているように、僕がノーミスをすることなんて、これまでほとんどなかったですから......。その意味では、自分自身は挑戦することに生きていますし、そこからまた強くなろうということに、すごく情熱を注いでいます。限界はないと思ってやっています」
次戦はNHK杯に出場する羽生結弦
羽生結弦がこう話したのは、スケートカナダのフリーが終わった翌日の10月30日だった。ショートプログラム(SP)に使っている『レッツゴー・クレイジー』を作ったプリンスについて、何か研究をしたかという質問をされた時だった。彼はプリンスの、「失敗をしたことによって、成功するためのものが見えてくる」という言葉に感銘を受けたといい、「その意味でもすごく(この曲に)共感できた」と話していた。
失敗を糧にして成長していく姿――。それはこれまでも羽生が経験し続けてきていることだ。2014年ソチ五輪シーズンには、王者パトリック・チャン(カナダ)にスケートカナダとエリック・ボンパール杯で負け続けた。
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