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世界ジュニア制覇。「賭け」に勝った宇野昌磨が得たもの (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 だが翌7日のフリーでは、思わぬ落とし穴が待っていた。

 最終組1番滑走で、SPでは5位に付けていたジン・ボーヤン(中国)が2種類3回の4回転ジャンプを決めて156.85点を獲得。合計得点を229.70点にして、この時点でトップに立つ。一方、宇野の前のピトキーエフは冒頭の4回転トーループで転倒した他、ふたつ目のトリプルアクセルが1回転半になったり、3回転サルコウが2回転になるミスを連発。フリー133.77点となり、メダル圏内から脱落した。

 SP2位のピトキーエフが崩れて追い風ともいえる状態。だがその結果が出る前に演技をスタートした宇野は、4回転トーループに入る動作をしてタイミングを崩し、首を捻ってしまったのだ。

「久しぶりにSP、フリーともに緊張していたから、滑り出してすぐに『アッ、身体がそんなに動いてないな』と感じて。それで4回転トーループを跳ぶ前にも『ちょっと無理だな』という気持ちが出てしまい、跳ぶ手前から腰が引けてしまってとんでもない変なジャンプになってしまいました」

 ジャンプはパンク気味になり、2回転なのか、3回転のダウングレードになったのかはっきりしないものになってしまった。

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