2015.03.09

世界ジュニア制覇。「賭け」に勝った宇野昌磨が得たもの

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 宇野昌磨にとって4度目の出場となる世界ジュニア選手権(エストニア)。大会前には「これまでの3回は『表彰台は絶対に無理』という状態だったので。今回は上位争いができる状況にいることに感謝して、シーズン最後でありジュニア最後の大会でもあるから、悔いが残らないような試合にしたい」と語っていた。

世界ジュニア選手権で優勝した宇野昌磨 その宇野が、3月6日(現地時間)のショートプログラム(SP)で、風格さえ感じさせるような演技を見せた。
 
 目標は2月の四大陸選手権ではできなかった、自分が納得できる演技だった。SPは4回転トーループがなく、本人が苦手だというルッツが入った構成だ。最初のトリプルアクセルは、高さと幅のあるジャンプで、出来ばえのGOEでは2.57点の加点をもらう完璧な出来だった。

 そこで波に乗ると、後半に入ってすぐの3回転ルッツの着氷で少し重心を後ろ側にずらしてしてしまったが、GOEでは減点なしに止め、続く3回転フリップからの連続ジャンプは完璧に決めた。それ以外でもスピンとステップはすべてレベル4と丁寧にまとめた。

 エッジを効かせた滑りは自信にあふれ、重厚感さえ感じさせた。2位に4点近い差をつけた技術点だけではなく、演技構成点でもただひとり、5項目のすべてで7点台の評価を得て、84.87点を獲得。2位のアディアン・ピトキーエフ(ロシア)に7.93点差をつける完璧な発進となったのだ。