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【フィギュア】日本女子の黄金時代は終わったのか (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「もともとループジャンプは不安だった。3連続ジャンプが0点になって悔しい。ルールは知っていたが、普段やらない失敗だったから。こんな失敗はしちゃいけないと学んだ。この悔しさが次に繋がると信じて全日本選手権でしっかりとやりたい」

 けん引役を期待される20歳は、きちんとルール変更に対応し切れなかった自身の不甲斐なさを痛感しながら雪辱を誓っていた。

 これまでのGPファイナルでは、日本女子が結果を残してきた。最多に並ぶ4度の優勝を誇る浅田真央をはじめ、村主章枝も2003年大会を制し、荒川静香や安藤美姫、鈴木明子らも表彰台に上っている。浅田が2連覇した昨年までは11シーズン連続で日本女子が表彰台の一角を占めていたほどだ。95~96シーズンに創設されたGPファイナルに計5度も3選手を送り込んだ実績を持つ日本女子の黄金時代は、過去のものになってしまうのか。

 世界のトップに君臨してきた第一人者の浅田が休養に入り、ソチ冬季五輪シーズンを最後に鈴木と安藤が引退。その大きな穴を埋めるエース登場を期待したが、世代交代が上手く進まなかったのは否めない。その間隙をつく形で、一時低迷していたロシアが、ソチ五輪を契機に復活してくるなど、立場が逆転。今季も昨季に続き、ファイナルに勢いがある若手4選手が進出して一気に差を広げられてしまった。

 ロシア杯でGP初優勝を飾った18歳の本郷理華が補欠第1位につくなど、宮原、村上とともに日本女子が補欠に回った。GPファイナルの女子進出者は、15歳のエレーナ・ラジオノワ、17歳のエリザベータ・トゥクタミシェワ、16歳のアンナ・ポゴリラヤ、16歳のユリア・リプニツカヤ(いずれもロシア)に加え、アシュリー・ワグナー(米国)、ゴールドの6人となった。

 一方で、ジュニアGPファイナルには全日本ジュニア女王で今季のジュニアGPで活躍している13歳の樋口新葉(わかば)ら3人の有望な若手が出場を果たしている。このホープ3人が世界の舞台で目覚ましい飛躍を遂げれば、まだまだ日本女子の未来も明るいだけに期待が懸かる。12月の全日本選手権は、おそらく樋口ら若い力が旋風を巻き起こすはずで、村上や宮原もうかうかしていられない。
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