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【女子プロレス】荒井優希が振り返る"後ろ受け身キャンセル界隈"からの進化 アイドルとの二刀流時代には偏見との闘いも

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Mugiko Ozaki

■『今こそ女子プロレス!』vol.31

東京女子プロレス 荒井優希 前編

 2021年4月、プロレス界に衝撃が走った――「SKE48荒井優希、プロレスデビュー」。

 現役アイドル。それも国民的グループのメンバーだ。「プロレスセンス抜群」「天性のスター」といった触れ込みもあった。実際にデビュー戦を見ると、その評価は誇張ではなかった。プロレス大賞新人賞の受賞歴、SKE48という肩書も含め、現代の女子プロレスラーとしてはエリートと言っていい。

SKE48時代にプロレスデビューした荒井優希 photo by Shinsuke YasuiSKE48時代にプロレスデビューした荒井優希 photo by Shinsuke Yasuiこの記事に関連する写真を見る

 一方で、インタビューで対面した彼女は、そうしたイメージとは少し異なっていた。語り口が、極めてファニーなのだ。本人は終始真面目に話しているが、言葉選びや間が独特で、場に自然と笑いが生まれる。意図している様子はない。それでも周囲の空気が緩む。天性の資質だろう。

 プロレスデビュー当時、アイドルとしてはどんな時期だったのかと尋ねると、「センターになりたいとかは、もちろんない」と答えた。アイドルは誰もがセンターを目指すものだと思っていた私は、驚きを隠せなかった。荒井は事もなげに続ける。

「その部分って、どんどん削れていっちゃうんですよ。『自分じゃないほうがいい』とか、『どうせ無理でしょ』とか。考えると傷つくだけだから、『そうじゃないところで輝きたい』と思い始めるんですよね」

 アイドルでいること自体が苦しかったわけではない。メンバーやファンと過ごす時間に、確かな充実もあった。それでも彼女は、"ここではないどこか"を探していた。

 荒井優希が、輝ける場所にたどり着くまでの軌跡を追った。

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著者プロフィール

  • 尾崎ムギ子

    尾崎ムギ子 (おざき・むぎこ)

    1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。プロレスの記事を中心に執筆し、著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』(共にイースト・プレス刊)がある。

【写真】東京女子プロレス 荒井優希フォトギャラリー

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