井上尚弥の衰えは「まったく感じない」 いとこの浩樹は9月のアフマダリエフ戦のポイントを「スピード」と分析 (3ページ目)
――アフマダリエフ選手を「体が強い」と評価しましたが、具体的には?
「体幹がしっかりしていて、体もゴツい。ブロックの上からのパンチにも耐性があります。尚弥さんのパンチをブロックで受けたあと、『何ともない』という感じで、すぐにリターンを返されると少し怖いですね」
――尚弥選手は、ブロックの上からのパンチでも、相手をひるませる場面がよくあります。
「ですから、アフマダリエフが尚弥さんのパンチをブロックで受けた時の反応と、そのあとのリアクションは、試合の流れを左右するポイントになると思います」
【中谷潤人への発言は「認めているからこそ」】
――尚弥選手は自身の引退について、アメリカのボクシング専門誌『ザ・リング』のインタビューで「今年を含めて、あと3年くらい」と答えました。2027年、再来年ということになります。
「僕もニュースで知って、『早いな』という印象でした。でも、あれだけの重圧を背負って戦ってきましたし、『早めに休んでもいいのかな』という気持ちもあります」
――今年3月の年間表彰式で、中谷潤人選手に「1年後、東京ドームで盛り上げましょう」と対戦を呼びかけました。そこには、どんな思いがあったと思いますか?
「尚弥さんが中谷選手を認めているからこその発言だったと思います。絶対に盛り上がるのもわかっていますしね」
――中谷選手はパウンド・フォー・パウンド1位を目指していて、そのために尚弥選手と戦いたいと、以前から発言しています。実際に快進撃を続けていますね。
「尚弥さんも、下の世代からそういう選手が出てきてくれてうれしい気持ちはあると思いますよ」
(後編:中谷潤人vs.西田凌佑を展望 自らはウェルター級でのKO復活に「中量級も日本人は強いと証明したい」>>)
【プロフィール】
■井上浩樹(いのうえ・こうき)
1992年5月11日生まれ、神奈川県座間市出身。身長178cm。いとこの井上尚弥・拓真と共に、2人の父である真吾さんの指導で小3からボクシングを始める。アマチュア戦績は130戦112勝(60KO)18敗で通算5冠。2015年12月に大橋ジムでプロデビュー。2019年4月に日本スーパーライト級王座、同年12月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。2020年7月に日本同級タイトル戦で7回負傷TKO負けを喫し、引退を表明したが、2023年2月、約2年7カ月ぶりに復帰。同年8月、WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦に勝利し、王座に返り咲いた。2024年2月、東京・後楽園ホールで、東洋太平洋同級王者・永田大士との王座統一戦に敗れた。2025年3月、ミハイル・レスニコフに3RKO勝利を収めた。
20 戦 18 勝 ( 15 KO ) 2 敗。左ボクサーファイター。アニメやゲームが好きで、自他ともに認める「オタクボクサー」。
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◆X(旧Twitter):@krmr_511「井上浩樹 Koki Inoue ヰ乃上ころまる」>>
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著者プロフィール
篠﨑貴浩 (しのざき・たかひろ)
フリーライター。栃木県出身。大学卒業後、放送作家としてテレビ・ラジオの制作に携わる。『山本"KID"徳郁 HEART HIT RADIO』(ニッポン放送)『FIGHTING RADIO RIZIN!!』(NACK5)ウェブでは格闘技を中心に執筆中。レフェリーライセンス取得。ボクシング世界王者のYouTube制作も。
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