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朝倉未来はいったん引退したことで進化 髙阪剛も「距離を置いたことで見える部分がある」と共感 (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――打撃、組み、寝技をうまく混ぜて勝利したことは、今後の朝倉選手にどんな影響を与えると見ていますか?

「相手にとって警戒すべき要素が格段に増えた、というのが最大のポイントですね。これがまさにMMAの醍醐味でもあり、面白さでもあるところです。相手がテイクダウンを警戒するようになる結果、打撃が入るようになる。今回、未来選手が組みの展開を見せたことが、今後対戦する選手にはプレッシャーになるはずです。当然、対戦相手もそこを研究してくるので、未来選手もさらにレベルアップしていく。未来選手は、あらためて格闘技の面白さを感じているんじゃないでしょうか」

――髙阪さんに以前も伺いましたが、組みや寝技が入ると、打撃の勝負も全く別物になるということですね。

「混ぜることで、打撃もテイクダウンも入りやすくなる。まさに好循環です」

――今回の試合に向けて、朝倉選手は、少し後ろ重心に戻したとおっしゃっていました。この狙いはついては?

「重心移動のためだと思います。タックルに入る際、前重心だと一歩目がどうしても弱くなります。後ろ足に少し重心をかけておくことで、前に踏み出す力が入る。ただ、これは"諸刃の剣"でもあって、後ろから前に体重を移す分、動きは大きくなる。相手にすかされた場合、前につんのめるリスクもあります。だからこそ、ギリギリの後ろ体重、ギリギリの体重移動の加減が重要になります。今回は、そのバランスが絶妙だったと思いますね」

【鈴木の再起への期待】

―― 一方、敗れた鈴木選手ですが、少し休養が必要なタイミングかもしれませんね。

「そうですね。前回の試合(3月30日)のダウトベック戦のダメージが抜けきっていたとは考えにくいです。本人は言わないでしょうけど、あれだけの試合をして影響がない、ということはまずないと思います」

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