佐竹雅昭が振り返る「剛腕」ベルナルドのパンチ力 K-1初のドーム興行でのジャパングランプリは「正直、楽だな」 (2ページ目)
【人気絶頂時にジャパングランプリがスタート】
「K-1四天王」全員と戦った佐竹は、それぞれの印象について、愛好するアクションゲームシリーズ『モンスターハンター』の武器で例えた。
「アーツは、遠い距離からガンガンくるから『ガンランス』ですね。ホーストは、ガードの能力が高くてテクニック抜群なので『ランス』。アンディは、短い剣を操るようにちょこちょこ当ててきたので『双剣』。ベルナルドは、言うまでもなく『ハンマー』です。こうして振り返ると、みんな強いのは当然ですが、それぞれ個性がありましたね」
K-1復帰後2連敗となったが、6月7日にカークウッド・ウォーカー(イギリス)に判定で勝利し、2年3カ月ぶりの白星をつかんだ。ただ、体調は思わしくなかった。
「手足がしびれることが多くて、『これは脳梗塞かも』って心配になって病院へ行ったら、お医者さんが『首の骨が逆に曲がっています』と。長年の戦いで首の骨が曲がっていたことがわかりました。しびれの原因はそれだったんですけど、『"職業病"だから仕方ないな』と腹をくくりました」
7月20日、人気絶頂だったK-1は初めてドーム興行に打って出た。会場はナゴヤドーム。「K-1 DREAM97」と銘打たれたイベントで、佐竹は日本最強戦士を決める8人参加のトーナメント「ジャパングランプリ」に出場した。
1回戦、清原定一を1ラウンドTKOで破り、準決勝の阿部修司も判定で完勝。決勝は同じ正道会館の鈴木政司を4ラウンドTKOで倒して優勝し、日本人のヘビー級ではずば抜けた実力を持つことを証明した。
「それまでめちゃくちゃ強い外国人とばかり戦っていましたから、正直に言って『日本人だけのトーナメントは楽だな』と思って出ることにしました(笑)。日本人にはそこまでの"殺傷能力"はないだろうと」
2 / 4