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井上尚弥との対決に向け、中谷潤人は「僕にとって最強の相手になる」トレーナーも「ベストなナオヤを超えることに価値がある」 (2ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text by Soichi Hayashi Sr.

【「井上選手は僕にとって最強の相手になる」】

 井上にとって1月24日の試合は、予期せぬトラブル続きだった。対戦相手だったサム・グッドマンがスパーリング中に左目上をカットし、1カ月延期。新たなスケジュールでの調整となったが、試合の13日前になってグッドマンが再び同じ箇所を負傷したため、急遽代わりを立てての防衛戦決行となった。

LAでキャンプ中の中谷 photo by Soichi Hayashi Sr.LAでキャンプ中の中谷 photo by Soichi Hayashi Sr.この記事に関連する写真を見る

 グッドマンがオーソドックス(右構え)であるのに対し、キムはサウスポーだった。

「中止とか、スケジュール変更があっての試合でしたよね。そうした状況下でハイパフォーマンスを出すのは、大変だったと思います。でも、しっかりと勝った。僕も井上選手をリスペクトしています。

 ファイターですからすぐに切り替えたでしょうが、井上選手は非常に丁寧に試合を作りました。前の手でしっかりキム選手を崩し、その上で空いているところを打っていきましたね。やはり、井上選手が僕にとって最強の相手になることは間違いありません」

 中谷もサウスポーである。キムの闘いぶりから「自分が闘ったら......」と、イメージする点も少なくなかった。

「やはりジャブの差し合いで、いかにアドバンテージを取るかですね。それからリングの使い方。足の運び方。ボディを当てさせないこと。自分のリーチを生かすにはどうすればいいか、井上選手はプレッシャーが強いから、どう外すか。そんなことを考えました」

 WBC世界バンタム級チャンプは、淡々と語った。

「井上選手は、いずれ闘わねばねらない相手だと感じます。『不利だ』という声も聞こえてきますよ。そういった状況のほうが、自分を追い込めます。すべてを出さなければ勝てない、最強の相手との勝負は、間違いなく僕が成長できる一戦になるでしょう」

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