PRIDEやRIZINを「声」で盛り上げてきたリングアナが語る、リハーサルで出場選手の名を呼ばない理由とは? (5ページ目)
【好きな格闘家の異名は?】
――以前、中川翔子さんのYouTube『中川翔子の「ヲ」』で選手コールをレクチャーしている際は、「最初から(声を)張って入ると、さらに張るのは大変」「コーナー、身長・体重はちょっと抑えめに言う」と話していましたね。
太田 もちろん、声量がある人はドンドン上げていけばいいと思います。僕はこれまでの経験から、たまたまそういうやり方のほうがいい、となっただけですね。
――誰かに習ったんですか?
太田 いえ、習ったわけではなく、ケイ・グラントさんのコールを見たり、自分で考えたりしました。あとはうちの池田が、もともとUインター(UWFインターナショナル)で仕事をしていたので、「こう言ったほうが盛り上がる」「こう言ってもらうと選手も嬉しい」とか、コールのやり方やお客さんの気持ちを教えてくれた。ケイさんの影響を受けながら今のスタイルを作り上げてきた感じです。
――コールの際に言う異名のなかで、太田さんが個人的に好きなものはありますか?
太田 僕が一番好きなのは、ホベルト・サトシ・ソウザ選手の"カナリア色の大和魂"です。(RIZINの広報担当の)笹原圭一さんが作ったと聞きましたが、あの異名は本当にかっこいい。日系ブラジル人の柔術家であるサトシ選手にぴったりな表現ですよね。
あとは、所英男選手の"逆境ファイター"や"闘うフリーター"もグッときます。「もうフリーターじゃないだろ」というツッコミもあるでしょうけど、名を上げた時のフリーター感が強く印象に残っていますから。あとは、朝倉未来・海選手の"路上の伝説・兄""路上の伝説・弟"も好きでした。海選手の今の異名は"革命のアウトサイダー"ですが、当時の"ダサかっこいい"感じがよかったですね(笑)。
(後編:「あれ抜きにRIZINは語れない」という対抗戦 リングに上がる選手たちへの思いも語った>>)
【プロフィール】
■太田真一郎(おおた・しんいちろう)
3月20日、神奈川県生まれ。青二プロダクション所属。
テレビ、アニメ、ラジオ、そしてリングアナウンサーとして、さまざまなジャンルで活躍。テレビでは『スッキリ!!』『サンデー・ジャポン』『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』など数多くのテレビ番組のナレーションを担当。アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』ではアナウンサー役を務めている。リングアナウンサーとしても約25年間にわたりPRIDE、DREAM、RIZINなどの格闘技イベントを盛り上げ、選手やファンの心に響くコールを届け続けている。
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