PRIDEやRIZINを「声」で盛り上げてきたリングアナが語る、リハーサルで出場選手の名を呼ばない理由とは? (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――リハーサルではどこまで本番に近い状態でやるんですか?

太田 オープニングで全選手が入場する場面を1回通してやるくらいです。あとは、リングアナ4人が交代で勝者コールをやる程度ですね。

――その時は、誰の名前をコールするんですか?

太田 以前は、必ず髙田延彦さんをコールしていましたが、最近はうちの若いリングアナの名前にしたりしています。「勝者、○○!」とコールするんですが、誰にも悪影響がないので。

――悪影響とは?

太田 リハーサルではスタッフの方がダミーとして選手役になり、リング上で場当たり的なことをやります。カメラマンの方が、試合をどのアングルから撮影するかをチェックするんです。それで、僕らは勝者コールをするんですが、その日に出場する選手の名前を言いたくないんですよ。

 たとえば『超RIZIN.3』で言えば、リハでは「勝者、平本蓮」と「勝者、朝倉未来」、どちらも言いたくなかった。それが実際の試合の結果に影響することはないでしょうが、ちょっと言霊(ことだま)的なものを感じるんです。リハの時は、選手はまだ会場入りしていないはずですが、もしどちらかの勝者コールをする場合は絶対に聞かれたくないです。

――選手の入場を促す際に、以前は「赤コーナー」「青コーナー」と呼んでいたものが、今では「メインゲート」に変わりましたよね?

太田 そうですね、基本的には「メインゲート」が使われるようになりましたが、個人的には「赤コーナー」、「青コーナー」のほうが好きですね。リズム感がしっくりきますし、「コーナー」という言葉を口にすると、「ここから選手が入ってくるんだ」と、より具体的なイメージが湧くので。

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