「この人じゃなきゃダメだ」東京女子プロレス遠藤有栖が「バディ」鈴芽との絆で手にしたタッグの頂点 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【でじもん"らしさ"とは「カラフル」】

 5月6日、上原わかな&HIMAWARI組の挑戦を退け、ベルトを初防衛。7月20日には、後楽園ホール大会で二度目の防衛戦を行なう。挑戦者は荒井優希&宮本もか組。

「率直な気持ちとして、この2人ともう一度闘いたかった。鈴芽さんもそうだと思います。過去にはトーナメントとかでもけっこう負けていたので、私たちにも余裕はないと思うんですよ、絶対。でも(荒井と宮本の)2人が離れている間、私たちは2人で頑張ってきた。ベルトも獲った。だから私たちの力を見せつけたいです」

 有栖と鈴芽、2人の共通の目標は「マジラビのようになりたい」。マジラビのように強い絆で結ばれ、それでいて自分たちらしさ全開のタッグチームになりたい。でじもん"らしさ"とは、「カラフル」だという。

「私たちにはいろんな色がついていると思うんですよね。感情とか、わりと剥き出しにできるタイプだから。これからもっとカラフルな防衛ロードを歩んでいきたい。いろんな人と闘って、いろんなところに行って、いろんな美味しいものを食べて、いろんな思い出を作りたいです」

 幼い頃から極度の人見知りで、人前に出ることが苦手だった。友だちに自分の気持ちを話すこともできなかった。そんな彼女が今、大勢の人の前で、感情を剝き出しにしてリングの上で闘っている。「プロレスと出会って、人生が白黒からカラフルに変わった」と有栖は言う。

 いつか東京女子プロレスの"てっぺん"――つまり、プリンセス・オブ・プリンセス王座のベルトを巻きたいという夢がある。

 バディと見た景色を、いつかひとりで。遠藤有栖のプリキュアストーリーは続く。

【プロフィール】
遠藤有栖(えんどう・ありす)

1998年4月27日、福島県会津若松市生まれ。2019年3月、WRESTLE-1公式サポーターのアイドルグループ「Cheer♡1」に加入。2021年1月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にてプロレスデビュー(対鈴芽)。2022年7月22日、会津若松市観光大使に就任。10月21日、会津若松市で凱旋興行を開催し、超満員札止め。2024年2月10日、鈴芽とのタッグ「でいじーもんきー」で「第4回"ふたりはプリンセス"Max Heart トーナメント」初優勝。3月31日、両国国技館大会にて、水波綾&愛野ユキが持つプリンセスタッグ王座に「でいじーもんきー」で挑戦し、勝利。第16代王者となる。150cm。

【大会情報】
■大会名:SUMMER SUN PRINCESS'24
■日時:2024年7月20日(土)開場10:00 開始11:00
■会場:東京・後楽園ホール
■対戦カード:プリンセスタッグ選手権試合 30分一本勝負
<王者組>鈴芽&遠藤有栖 vs 荒井優希&宮本もか<挑戦者組>

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プロフィール

  • 尾崎ムギ子

    尾崎ムギ子 (おざき・むぎこ)

    1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。プロレスの記事を中心に執筆し、著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』(共にイースト・プレス刊)がある。

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