全日本プロレスが能登に届けた「元気」 選手会長・宮原健斗らがチャリティ大会で見せた普段どおりのファイト

  • 松岡健治●取材・文・撮影 text & photo by Matsuoka Kenji

【「何もしなければ、何も始まらない」】

 元日に発生した能登地方地震から5カ月あまり。能登半島は、甚大な被害を受けた奥能登地方を中心に倒壊家屋が手つかずのままなど、復興への険しい道のりが続いている。

 一方で被災地には、義援金の寄付などさまざまな業界が支援の輪を広げている。スポーツ界でも支援を行なっているが、そのなかでプロレス界では、全日本プロレスが6月10日に石川県の七尾市田鶴浜体育館でチャリティ大会を開催した。

能登半島でのチャリティマッチで熱いプロレスを見せた全日本プロレスの宮原能登半島でのチャリティマッチで熱いプロレスを見せた全日本プロレスの宮原この記事に関連する写真を見る プロレス団体で能登半島でのチャリティ大会を開催したのは、全日本が初めて。「全日本プロレス 能登チャリティ大会~ALL JAPAN FOR ONE~」と題し、入場は無料だった。

 開催のきっかっけは、今年から全日本の選手会長に就任した宮原健斗の「能登半島のために、自分たちが何かできないだろうか」という思いだった。日々、テレビなどのニュースで知る能登半島の現実。甚大な被害を受けた能登で暮らす人々のために、「自分たちプロレスラーができること」を考え続けたという。

 宮原は2007年に『健介オフィス』に入門して翌年2月にデビュー。14年に全日本へ入団したあとは、最高峰の「三冠ヘビー級王座」を6度も戴冠するなど活躍を続け、今年でデビュー16年目となる。その間、石川県でも幾度となく試合を行ない、数多くのファンから声援を受けた。自らの背中を押してくれた石川県、能登地方のファンが地震で苦しい思いをしている。考えた末の結論が、能登半島で試合をすることだった。

「僕は常日頃から、プロレスが世の中のためにできることは『見ている方々に元気を届けること』だと思っています。それは、僕が子供の頃にプロレスファンになって、夢を見て元気をもらった人間だからそう思えるんです。

 今年、能登で大変な地震が起き、被害の状況をテレビとかで見るたびに『能登のみなさんにプロレスの元気を届けたい』となりました。もちろん、大変な被害を受けた方々に対して、僕らが『プロレスで元気を届ける』と言うのは、おこがましいとも思います。それは、僕らの自己満足なのかもしれません。ただ、『何もしなければ、何も始まらないんじゃないか?』と考えたんです」

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