父・カズのジャージを着た理由は「安心材料」。三浦孝太が振り返るプロ2戦目の「怖さ」とイメージ通りの一本勝ち (2ページ目)

  • 池田鉄平●取材・文 text by Ikeda Teppei
  • 撮影●興梠真穂 photo by Korogi Maho

――しかも、ムエタイ選手が得意とする肘ありのルールでしたね。

「相手は得意の打撃がなんでもできるルールだったので、そこで勝負させないように、寝かせる作戦でいきました。自分も寝技より打撃のほうが得意なので、スタンドで勝負したい気持ちもあったんですが......試合が始まってすぐに、思いきり右のパンチを振ってみて『どういう反応するかな』と探りを入れてみたら、ビビらずにカウンターを合わせてきた。『打撃で真っ向勝負したらちょっと難しいな』と思ったので、すぐに『寝技でいこう』となったんです」

――ただ、最初のグラウンドの攻防では上に乗られて、いきなり強烈な肘を落とされましたね。

「組みついて引き込む作戦だったんですけどね。下になった時の肘は、ちょっと怖かったです」

――そこはうまくしのいで、2度目のタックルでは相手を倒し、間髪入れずに腕十字で勝利。これはイメージ通りでしたか?

「もうちょっと時間はかかると思っていましたが、ほぼイメージ通りでしたね。1ラウンド1分54秒で終わってしまったので、『もうちょっと闘っているところを見せたかったな』という気持ちもありますし、打撃戦で倒したかったという思いもあります。ただ、練習したことを見せられて、しっかり勝てたのでよかったです」

――プロデビュー戦と違うと感じたところは?

「1戦目は正直、『負けてもいいや』くらいに思っていました。やってみなきゃ、どうなるかわからなかったので。でも、デビュー戦で予想以上に闘えたので、『2戦目はもっと見せなきゃ』という気持ちもあった。メディアにも露出して知名度も上がっていた分、結果を残さなくてはいけないことへの怖さはありました。

 何より、やっぱり2試合を欠場したことが自分にとっては大きくて、『2試合負けたようなものだ』と思っていました。それで試合も負けたら"3連敗"ということになる。絶対に勝たなきゃいけない状況で、ちょっと緊張していたのかもしれません」

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