三浦孝太はブアカーオの「愛のムチ」に教訓を得た。自身のタイでの人気ぶりには「すべての人に声をかけられる感覚」 (3ページ目)

  • 池田鉄平●取材・文 text by Ikeda Teppei
  • 撮影●興梠真穂 photo by Korogi Maho

――ブアカーオ選手とエキシビションマッチはすごい挑戦だなと思いましたが、実際にオファーが来た時はどう思いましたか?

「ブアカーオ選手と試合することはもちろん恐怖もあったんですが、K-1で見ていた選手なので『同じリングに立って挑んでみたい』という気持ちになりました。でも、タイでの試合は初めてだったので、それを受け入れるにはちょっと時間がかかりましたね」

――ご家族はどういう反応でしたか?

「初めての"アウェー"での試合だったので、『大丈夫?どういうルールなの?』と心配してました」

――実際に、憧れのブアカーオ選手と試合をしてみて何を感じましたか?

「いつもやっている総合ルールではなくキックボクシングだったんですが、すごいプレッシャー、圧力を感じましたね。MMAで同じような圧力をかけてくる選手と試合をする時も、『気後れしないようにしないといけない』と思いました。そういったものに慣れていきたいですし、やはり実戦の大事さを感じたので、どんどん試合を重ねていきたいです」

――3ラウンドではコーナーに詰められ、飛び膝蹴りや左右の拳での猛ラッシュを受けました。プロデビュー後、あれだけ打ち込まれたのは初めての経験だと思いますが、ダメージはどうでしたか?

「最後のラッシュは『予想していたより"来る"な』と思いましたが、"愛のムチ"だったんでしょう。もちろん痛くてダメージはあったんですけど、試合中はアドレナリンが出ていたからか大丈夫で、それを実感したのはしばらく後でした。同じようなラッシュの対応を考える意味でも、あれはいい教訓になりましたね」

――満員の約8000人が集まったというムエタイの聖地、ラジャダムナンスタジアムはどんな雰囲気でしたか?

「リニューアルされたようで、すごくかっこよかったです。自分を見に来てくれた女性のファンもいたようですが、普段の大会ではほとんど男しかいないらしいですね。観客席にゴミがたくさん落ちている感じや、あの殺伐とした、殺気さえも感じられる雰囲気は日本では味わえないと思います」

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