鬼越トマホーク・坂井良多が選んだ「ケンカマッチ」ベスト5。PRIDE、K-1、UFCのどつき合いナンバーワンは? (5ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • Photo by Getty Images、Yukio Hiraku/AFLO

【1位】桜庭和志 vs ホイス・グレイシー

(2000年5月1日「PRIDE GRANDPRIX 2000 決勝戦」タオル投入により桜庭が勝利)

 日本のMMAの歴史を紀元前・紀元後に分けるとしたら、この桜庭vsホイスが転換点じゃないかと。この勝負がなかったら、日本の格闘技の未来も大きく変わっていたんじゃないかと思います。

 高田延彦さんがヒクソン・グレイシーに連敗するなど、グレイシー一族が"世界最強"と謳われていた中で、桜庭さんがホイラー・グレイシーにチキンウィングアームロックを完璧に決めてTKO勝利(1999年11月の『PRIDE.8』)。その判定が不服で、ホイス側が時間無制限(1ラウンド15分、無制限ラウンド)、レフェリーストップや判定決着なしというルールを要求して、桜庭さんがすべて承諾した。もはや決闘ですよね。

 桜庭さんはUFCの初代王者であるホイスに、寝技でも全然負けていなかった。そして何より、戦い方がクリエイティブでしたね。道着を脱がそうとしたり、モンゴリアンチョップを繰り出したり、コーナー際でホイスの腕を極めながらニヤっと笑ったり。「こんなもんか」みたいな余裕な感じがたまらなかった。

 打撃でも終始圧倒して、ホイスのセコンドから(7ラウンドが始まる前に)タオルが投入された。ホイスの父親、エリオは震えながら「グレイシーの時代が終わる」みたいな顔をしていましたね。その時の会場の歓声は地割れのようでした。

 この一戦の影響はすごくて、UFC代表のダナ・ホワイトも、桜庭さんをすごく尊敬している。日本だけでなく、世界にも認められたケンカですね。

 これで一応ベスト5が出そろいましたけど、挙げ忘れている試合がたくさんありそうで......ダンヘン(=ダン・ヘンダーソン)vsマウリシオ・ショーグンとか、シウバvsクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンもあるし......この企画、もう1回やりましょう!


【プロフィール】
■坂井良多(さかい・りょうた)
1985年12月27日生まれ、長野県出身。NSC東京校の15期生で、2010年5月に現在の相方、金ちゃんと「鬼越トマホーク」を結成した。金ちゃんとケンカを始め、それを止めに入った人物に暴言を吐く"ケンカ芸"などで人気に。テレビ出演だけでなく、YouTubeにも活躍の場を広げている。

(取材協力:吉本興業株式会社)

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