井上尚弥の「匂わせツイート」も現役復帰を後押し。元太平洋王者・井上浩樹はアニメ『バンドリ』を見て最終決断を下した (2ページ目)
――現役時代は、『バンドリ』の曲を入場曲にしていましたね。
「2020年7月に負けて引退したあとに、『バンドリ』のライブに行った時には涙が出ちゃいました。その後は、現役時代を思い出してしまうこともあって、1年ほど作品に触れていなかったんです。
でも、映画を観に行って『オレは何をしていたんだろう』と。映画の題材が『Save the Dream』、夢を守るという内容だったんですが、自分も夢を持っていたのに何も達成できてないことに気づいたんです。それで、映画を観たあとは走って帰りました」
――やる気に火がついたわけですね。復帰を決めたことを、尚弥選手に伝えた時の反応はどうでしたか?
「『俺がさんざん説得してたのに、アニメを観て復帰って......アホか!』と言われました(笑)。ずっと『明日にでも復帰しよう』と言い続けてくれていましたから、その反応も仕方ないです。
拓真は、そもそも復帰を信じてくれませんでしたね(笑)。ある日、3人で走っている時に尚弥が『浩樹、復帰するらしいよ』と拓真に言ったんですが、『いや、絶対しないよ』と。僕は拓真と話している時に、思いついたことをパッと口にしてしまうことがあるんです。それで"狼少年"じゃないですけど、信じてもらえるまで時間がかかりました」
浩樹選手が描きおろした、尚弥選手に復帰を伝えた時の反応この記事に関連する写真を見る――それにしても、尚弥選手にずっと復帰を望まれるのはすごいことですね。浩樹選手は一度引退したあとに尚弥選手のサポートもしていましたが、そこで昂るものもあったんじゃないですか?
「それもありますね。ラスベガスでの試合もサポートするうちに、『こういう舞台でやってみたい』という気持ちが高まっていたことは間違いありません。
復帰することを伝えたあと、尚弥には『じゃあ明日、大橋秀行会長に言おうよ』と言われたんですが......会長から『今さら無理でしょ』と言われたらどうしよう、と怖くなって2週間くらい言えずにいました。それで少しイラついたんでしょうね。尚弥がTwitterで『早く復帰してくれねーかなー、、いつまで待たせるのかなー、、』(2022年2月17日)という"匂わせ"ツイートをしたんですよ」
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