皇治が那須川天心vs武尊をマジメに予想。「単純に"強い"のは武尊。しかし天心には"アドバンテージ"がある」 (3ページ目)
――皇治選手と対戦した時の天心選手は、契約体重が58.5kgでした。あの試合での印象は?
「その体重でも、パワーはそんなに感じなかったかな。でも、スピードはメチャクチャあってフットワークが速かった。天心はパンチを打ったらもうその場所にいないから、その点は武尊も相当シンドイでしょうね。ただ、今の天心はスタイルが変わっちゃってるので、また違うかもですけど」
――スタイルの変化とは?
「最近、天心はKO勝ちがない。それは『パワーに走ってるから』です。俺も若い時は"浪速のKOエンペラー"って言われるくらい倒してましたが、大事なのはスピードとタイミングなんです。いわゆる"相手には見えないパンチ"を打てるかどうか。でも、キャリアを重ねると力に自信を持ちすぎて、逆に倒せなくなっちゃうんですよね」
――武尊選手との試合に向けて、修正してくるでしょうか。
「幼い頃から天心を指導してきた親父さんがしっかり見れるなら、以前のような感覚も戻るかもしれないですね。俺が見てる感じでは、最近はあんまり指導できていないのかなとも思うの で。まぁ、親子ですからいろいろあると思いますけど」
――天心選手はボクシング転向を見据えてジムに通ったりと、パンチの意識が変わったことも影響していますか?
「かなりあると思います。天心がパンチでいかずに、蹴り中心でいったら強いですよ。あの蹴りがあるから、パンチも当たっていたわけだし。......と口で言うのは簡単なんですけどね。『じゃあ、お前がやれよ』とも言われるやろうけど(笑)、難しいんですよ」
――武尊選手で心配な点はありますか?
「武尊は、前回のレオナ・ペタス戦(2021年3月28日)から1年以上もガチの試合をしてないし、天心のことだけを考えて追い込むのが早すぎる。あれだと、天心戦まで持たない気がするんですよ。
一方で天心はいい感じに"抜けて"いる。先ほど言った、サウナで会った時もリラックスしてましたね。サウナで天心と会うのは初めてでしたけど、周りの人らもビビってましたよ。『あれ、皇治や!天心もおるやん!』みたいに(笑)。サウナでリベンジしたろと思ったら、天心はサウナも強かった......。俺が『もう無理』と思って出たあとに5分くらい入ったままでしたし、そこでもストイックに追い込んでました」
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