石井慧がK-1でも無差別級にこだわるわけ。「減量して体を小さくするのは、本来の目的と違う」 (4ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

一番強い選手と戦いたい

――K-1参戦時から京太郎選手との対戦を望んでいますが、今回はトーナメントで反対側のブロックなので、ともに決勝まで進むと当たることになります。

「純粋に、日本で一番強い京太郎選手と戦ってみたいです。それを果たしたら総合に戻ろうかとも考えています。その先で世界を相手にするとなると、僕はK-1に集中しない限り、勝ち続けられる選手にはなれないと思うんです。

 総合格闘技との二足のわらじでは世界レベルのヘビー級の選手とは戦えない。完全に立ち技にシフトチェンジしないといけないと思うんです。目的はそこではなく、自分の打撃の実力を図ることとレベルアップですから。ただ、仮に今回、京太郎選手と対戦できなかったら、スーパーファイトでもいいので試合をしたいですね」

―― 一番強い相手と戦って自分の実力を試したいというのは、『ドラゴンボール』のサイヤ人的な発想ですね?

「そうですね(笑)。でも、自分が格闘家だったら、強い選手と戦ってみたくなると思いませんか? 『自分の力量はどんなもんだろう』と。ライターさんという職業で考えたら、例えば明日、マニー・パッキャオの取材ができるとなったらどうします?」

――すべての予定をキャンセルして、どうやってでも行きますね(笑)。

「それと同じ感じですよ。強い選手がいて、戦えるチャンスがあるならやりたい。シンプルです」

――なるほど。強さを図ることができるトーナメントに向け、具体的に強化しているところはありますか?

「いろいろありますが、特に瞬発力やスピードを上げること、キレを出すことですね。モーションをつけずに打つとか、手数を増やすこととか。ロシアのボクシングジムに行って、ボクシングだけをずっとやっていました。1月の上旬くらいから約1カ月間。ロシアが大変な状況になる前ですね」

――「ROAD TO京太郎」を果たして、トーナメントを優勝したいですね。

「はい。まずは一回戦、しっかり勝ちます!」

(後編:いきなりヒョードルから名指しで対戦。向き合い続けてきた過度の期待>>)

【プロフィール】
■石井慧(いしい・さとし)
1986年12月19日生まれ(35歳)、大阪府茨木市出身。柔道では2008年北京五輪の100kg超級で金メダルを獲得。五輪後にプロ格闘家に転向し、翌2009年の大晦日に吉田秀彦戦でプロデビュー。国内外のさまざまな大会でキャリアを積み、2017年からは練習拠点をクロアチアに移し、ミルコ・クロコップ率いるチーム・クロコップの一員として試合を続ける。2019年にクロアチア国籍を取得。2021年9月のK-1デビュー戦で判定勝ちを収めると、12月のK-1大阪大会でも勝利して2連勝中。

◆石井慧選手が出場する『2022年4月3日(日)K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~』

@国立代々木競技場 第一体育館
日時:4月3日(日)13:00スタート!
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