2022.04.02

石井慧がK-1でも無差別級にこだわるわけ。「減量して体を小さくするのは、本来の目的と違う」

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

石井慧インタビュー 前編

 2008年の北京五輪で、柔道男子の最重量級となる「100キロ超級」の金メダルを獲得した石井慧。当時、国士舘大学4年生の21歳。金メダル獲得の余韻が残る約2カ月後、五輪連覇が期待される若き柔道家は総合格闘家への転身を表明し、世の中をアッと驚かせた。

 その後、世界を転戦し、昨年は立ち技「K-1」のリングに立った。これまで2戦2勝で、4月3日に行なわれる「K'FESTA.5」のK-1無差別級トーナメントに挑む。そんな石井の目指す強さ、同じくトーナメントに出場する京太郎への意識とは。

K-1無差別級トーナメントに出場する石井K-1無差別級トーナメントに出場する石井 この記事に関連する写真を見る ***

打撃の技術をK-1で学びたい

――昨年9月にK-1デビューしましたが、石井選手が立ち技に挑戦することに周りも驚いたんじゃないでしょうか?

「そうですね。『なんでK-1に出るの?』『打撃出来ないでしょ?』などとよく言われました。やっぱり"餅は餅屋"で、総合格闘技とキックボクシングとでは大きく変わると思うし、僕はキックボクサーでもボクサーでもない。でも、打撃のレベルを上げるには、打撃の試合に出るのが一番いいかなと思ったんです。

 僕はグラップラーでテイクダウンとかが得意なんですけど、それは柔道というバックボーンがあるからこそ。柔道の経験を総合に活かせたからこそ今の自分がある。だから打撃だけの、逃げ場のない状態で試合をすることが、打撃の技術を上げる一番の方法だと考えたんです。寝技だけの試合なども出ていますが、そのおかげでサブミッションでの勝率がグッと上がった経験もありますしね。K-1を肌で感じて、学んでみようということです」

――数ある立ち技の団体の中で、K-1を選んだ理由は?

「小さい時から見ていた憧れの舞台に上がりたいという気持ちもありました。総合格闘家の中には、僕の他にも『K-1に出たい』と思っている人がいるでしょうね。でも、自分のキャリアや勝敗を考えた時に、キックボクシングルールならキックボクサーが有利だから、『出たいけど出ない』という選手もいるはず。それでも僕は、やってみたいと思うことは、実際にやるタイプなんで」

――石井選手が、子供の頃に憧れていたK-1は、どんな印象ですか?

「ヘビー級、中量級の両方を見ていました。やっぱり華やかですよね。ヘビー級は、ムキムキの外国人が殴り合う、といったイメージです。小さかった僕にとっては、ウルトラマンとかゴジラとかが戦っているようなもの。ヒーロー同士が戦うような感じでした」