石井慧がK-1でも無差別級にこだわるわけ。「減量して体を小さくするのは、本来の目的と違う」

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

「倒して勝ちたい」

――実際にそのリングに立って、ここまで2戦2勝、堅いガードとローキック、堅実なファイトスタイルが印象的でした。

「僕は、地味にいろいろできるタイプなんで(笑)。長く格闘技をやってますから、けっこう引き出しは多いと思います」

――総合格闘技と立ち技、もちろんルールは違いますが、戦い方で変わる部分はどこですか?

「総合よりもキックボクシングのほうが、よりガードを意識しないといけない。あと、距離が違います。キックのほうが近いですね。ただ、『距離やグローブに違いがある』と言う人もいるんですけど、ロシアのセルゲイ・ハリトーノフ選手("ロシア軍最強兵士"の異名でPRIDEヘビー級でも活躍)は、総合、ボクシング、キックボクシングでも自分の間合いで戦えている。彼は総合でも距離が近いんですが、立ち技で培った技術や距離感が活きているんだと思います」

――総合とキックで、スタミナの違いはいかがですか?

「練習が終わった時に、より乳酸が溜まっていると感じるのは総合ですね。ただ、痛みや精神的な疲れは立ち技のほうがあります。総合は"休みどころ"もわかっていますから。例えば、テイクダウンをしていいポジションをとった時や、相手を押し込んでいて攻撃をもらわないポジションとか。そういう場面では、少し体力を回復できます。しかも総合のケージが直径9mの円形なのに対し、K-1のリングは6m四方で狭いですから、足を使って距離を取ってもすぐに詰められる。休むタイミングはないです」

――K-1デビュー戦(2021年9月20日)の愛鷹亮戦では延長戦に突入しましたが、前に出て、手数も出して判定勝利。スタミナ十分という感じでした。

「スタミナは自分の武器でもあるんです。もともと、瞬発力があまりないかわりにスタミナがあるように生まれてきた感じですね(笑)。体力勝負なら自信があります」

――過去2回の判定勝利を経て見えた課題は?

「やっぱり、倒すこと。ちゃんと倒して勝ちたいです。どうやったらKOできるようになるのかをずっと考えているうちに、何が必要なのかが少しずつわかってきました。昔は、ミット打ちの時も16オンスのグローブでやっていたのですが、コーチから『10オンスでやって、ちゃんとナックルを当てる練習をしたほうがいい』と言われて。同じミット打ちでも精度を上げている感じです。フィジカルトレーニングも、試合前は"打撃選手仕様"にしています」

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