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【箱根駅伝2026】帝京大・中野孝行監督が考える箱根駅伝の戦い方は「誰が来ようがウチのレースをすればそれでいい」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

帝京大・中野孝行監督インタビュー 後編

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 箱根駅伝に向けて、今季の出雲駅伝、全日本大学駅伝で「5強」崩しも見えそうな走りを見せた帝京大。頼りにしていた昨年の4年生が抜けたあとの新チームの成長の裏には、中野孝行監督のどんな指導があったのか。箱根駅伝に向けて、今取り組んでいること、考えていることを語ってもらった。(全2回/後編)
昨年の箱根駅伝 監督トークバトルでも熱く語っていた中野孝行監督 photo by 日刊スポーツ/アフロ昨年の箱根駅伝 監督トークバトルでも熱く語っていた中野孝行監督 photo by 日刊スポーツ/アフロ

【今季は、「自分で考えてみて」が増えた】

――今季の全体的なレベルアップの要因は、どういうところにあると思いますか?

中野 放っていたからですかね(笑)。主体性をできる限り彼らに持たせました。ただ、何もないところには主体性も生まれないので、ある程度の方向性を見せたり、スケジュールも幅を持たせたりしました。いつも言っているのは、「ベースになる最低限のスケジュールしか立ててないから、それプラスで何かやらないとダメ」ということ。食事やケアの面に関しても、言われたことは基本でしかないから、それから展開させないといけないことは伝えていました。

 それは競技だけではなくて社会に出てでも同じ。言われたことしかやらないのは評価につながらないですよね。コロナが始まって以降は余計なことはしない子が増えてきているのかなとも思っていましたが、今は思いきってやってくれる子が少しずつ増えてきていると思います。

――コロナ直前の2020年の箱根駅伝で4位になった頃とは、また違ってきていますか?

中野 あの時はやんちゃな子たちばかりだったから、無理矢理やらせていました。みんなそれぞれの方向を向いて迷走していたから、「こっちへいくぞ!」とやらなければいけなかった。でも、今の子たちはたぶん、向いている方向は一緒なのかなと思います。

 選手たちにかける言葉は昔と変わってないけど、「自分で考えてみて」というのは増えましたね。 選手をロボットにしたくないというのと、ある程度、私がレールを敷けば失敗しないのはわかっているけど、それ以上にはなれない。私の範疇を超えないとダメだなと思ったので、選手自身がレールを敷くようにしました。ただ、彼らに責任を負わせる気はないので、「やってみようか」「それは違うね」という駆け引きは多くなったような気がします。

――去年は山中博生選手(現大阪ガス)というエースもいるなかで、「レベルの高い練習を冒険的にやらせてみた」と話していましたが、今年はそういう冒険心をほかの選手も持ててきた感じですか?

中野 そうですね。今までは「ベースの練習もできていないのにこっちは無理かな」と思っていた練習を、下のレベルの選手たちもできるようになりました。そこにはシューズの影響もあるとは思いますが、自信にもつながっています。上のレベルの選手は「実業団でもやれない練習をやれている」と思うくらいでした。

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