【箱根駅伝2026】本選で巻き返しを期す立教大・髙林祐介監督「エースの馬場は、最後の箱根をしっかり走ってくれると思います」
立教大・髙林祐介監督インタビュー 後編
就任2年目の髙林祐介監督。箱根本選に向けてのチーム状況、戦略を聞いた photo by Tsuji Shintaro
前編を読む>>>予選会をぎりぎりの10位通過も、立教大の髙林祐介監督が「逆によかった」と語る真意
昨季の立教大は箱根駅伝の予選会をトップ通過、さらに初出場の全日本大学駅伝でシード権を獲得し、箱根本戦でも終盤までシード権争いに絡むなど、存在感を発揮した。今季は予選会、全日本大学駅伝ともにエースの馬場賢人(4年)を欠くなどして、ここまで思うような結果を残せていないが、予選会後は生活面の改革を起点に、箱根本選への準備を着々と進めている。
就任2年目の髙林祐介監督のインタビュー(全2回)の後編では、目標に掲げる「64年ぶりのシード権獲得」に向けて巻き返す現状、さらにレースの展望を聞いた。
【全日本後のMARCH対抗戦は非常によかった】
10月18日の箱根予選会を経て、立教大は練習の質を底上げするための土台づくりとして、生活面の見直しに着手した。とりわけ、睡眠だ。専門の先生を招き、睡眠の重要性や質を高める具体策を学ぶ機会を設け、チームとして"日々の積み重ね"を整えることに力を注いだ。
――予選会後、監督が何か新たに始めたことはあったのですか。
「練習だけでなく、個々の状況に応じたコミュニケーションを意識的に増やしました。練習を積めている選手とは自然と話す機会が多い一方で、故障や調整で思うように動けない選手とは、どうしても対話の時間が減ってしまう。そこで、そういう選手とは、個別にコミュニケーションの場を設けるようにして、自分と彼らの考えをすり合わせるようにしました。そうして意思統一を図り、食事や睡眠など生活面での指導を進めていくと、ある変化が起きたんです」
――どんな変化でしょうか。
「みんな最近、寮が静かだと言うんです。消灯時間より30分ほど早い時間には自主的に消灯して、暗くなっています。朝練習の時間から逆算して、睡眠時間を"確保する"のではなく"最優先にする"という意識に変わってきたんだと思います。
やらされるのではなく、必要だと腹落ちしてから動き、実際、その効果を感じているようなのでよかったですね。箱根でシード権を獲るという目標への解像度と、そこに向かう生活のリズムが、チームとして整ってきたと思います」
箱根の予選会を経て取り組んだ生活の見直しと日々の基準づくり。選手たちは成長できたのか。それを確認する場となったのが、11月22日に開催されたMARCH対抗戦だった。14名の選手が10000mに出場し、28分10秒04で自らの持つ立教大記録を更新したキャプテンの國安広人(4年)をはじめ、多くの選手が28分台半ばの自己ベストをマークした。
――MARCH対抗戦では一定の結果が出ました。
「正直、ここで撃沈していたら、今日の取材もどうしようかなと思っていました(笑)。それはともかく、選手たちもこれまで積み重ねてきたものが、ようやく試合で出せたという手応えを感じてくれたでしょう。結果を出せなかった選手もいましたが、そこは悔しさを噛みしめ、次の行動につなげているなど、全体的には非常によかったです」
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著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

